天神ヒルヤタイ「KOKAGE」|応用プログラム実践レポート
天神ヒルヤタイ「KOKAGE」
|応用プログラム実践レポート
2026年度の応用プログラムのひとつである「天神ヒルヤタイ」の社会実験が、再開発に賑わう天神にて行われています。今回は、学生の「天神ヒルヤタイ KOKAGE」レポートをお届けします。
天神の街でみかけた際は、ぜひお立ち寄りください。
天神ヒルヤタイ「KOKAGE」
地上空間に、関わりしろをつくる
再開発が続く天神では、地下や建物内部の更新が進む一方、地上で立ち止まり、誰かと関われる小さな余白は多くありません。ヒルヤタイプロジェクトは、そうした都市の隙間に、人とまちの接点となる「関わりしろ」をつくる試みです。
その実践として制作したのが、移動式の屋台「KOKAGE」です。ワン・フクオカ・ビルディングの公開空地や天神ストリートパーティに設置し、Cafe/Market/Library、フリーコーヒーなどのプログラムを展開しました。
KOKAGEには、天神1-7計画(仮称)の仮囲いで使われたラミナパネルを再利用しています。再開発で役目を終えた木材を、再び天神の地上空間へ戻し、資源の循環と地域の記憶を小さな建築として可視化しました。
完成した屋台を置いて終わりではなく、使われ方を観察し、対話から次の設計条件を見つけるところまでをプロジェクトと位置づけています。

KOKAGEがつくる、地上空間の小さな余白
コーヒーを待つ時間をきっかけに、通勤途中の人、買い物客、学生、運営メンバーの間に自然な会話が生まれました。屋台の周囲には、座る、寄りかかる、眺めるといった多様な滞在が重なり、普段は通過される場所が一時的な居場所へと変わりました。

現地調査では、利用者の中心はオフィスワーカーで、滞在時間は1〜5分が多く、75名にヒアリングを行いました。短時間でも「木の質感が気になる」「まちの変化について話したくなる」といった反応があり、地上に留まる選択肢そのものの価値が確認できました。

搬出入や運営・仕組みづくりの経験から、次のスケールを考える
約350kgあるKOKAGEの運搬は、設置場所や運営体制を大きく左右しました。
次の展開では、カウンター、ベンチ、テーブル、サインなどに要素を分け、より小さく、動かしやすいストリートファニチャーへ展開します。

プロジェクト名|天神ヒルヤタイ「KOKAGE」
実施時期|2026年春から継続
主な実施場所|ワン・フクオカ・ビルディング公開空地、天神4号線
主な活動|フリーコーヒー、物販、読書空間、イベントへの貸し出し、行動観察調査・ヒアリング調査
企画・設計・制作|九州大学大学院/BeCAT/黒瀬研究室
次のフィールド|因幡町通りでの段階的な社会実験を計画中
指導:
教員:黒瀬 武史、出水 文二
デザインアドバイザー:三舛 正順
企画設計:
黒瀬研究室/ 南 天馬、伊藤己織
パリ・ラヴィレット工科大学 / Olinka、Julie(交換留学生)
基本・実施設計:
末光・出水研究室 / 大池 岳
黒瀬研究室 / 南 天馬
施工:
末光・出水研究室 / 大池 岳、他研究室メンバー
黒瀬研究室 / 南 天馬、伊藤己織、他研究室メンバー
パリ・ラヴィレット工科大学 / Olinka、Julie(交換留学生)
運営:
黒瀬研究室
