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BeCAT Design Lecture 2023
青木淳氏|開催報告

REPORT

BeCAT Design Lecture 2023
青木淳氏|開催報告

イベント名|BeCAT Design Lecture 2023
開催日時|2023年8月3日(木)18:00~20:00
会場|九州大学伊都キャンパス

建築やデザインの分野で活躍する専門家を迎え、デザイン理論・手法を説く公開型レクチャーシリーズ、BeCATのデザインレクチャー。課題の捉え方や解決へ向けたデザイン方法を学び、発想や企画・デザイン力の修得を目指します。

今回は、建築家の青木淳さんによるデザインレクチャーです。
1999年及び2021年と2度、日本建築学会賞を受賞し、ルイ・ヴィトンの一連の店舗や青森県立美術館などの美術館建築も多く設計しています。東京藝術大学建築科教授であり、京都市京セラ美術館の館長としても活躍されています。

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ウツワとナカミ

レクチャーのタイトルは「ウツワとナカミ」。青木さんがこれまで数多く手がけてきたmuseumを題材に、日本では美術館・博物館と2つの呼び方があるうえで、ICOM (International Council of Museums)による定義の変化などを交えながら、museumに求められてきた機能の変化などを時代を追ってお話していただきました。

ICOMによるミュージアムの新定義(2022 プラハ) 
“A museum is a not-for-profit, permanent institution in the service of society that researches, collects, conserves, interprets and exhibits tangible and intangible heritage. Open to the public, accessible and inclusive, museums foster diversity and sustainability. They operate and communicate ethically, professionally and with the participation of communities, offering varied experiences for education, enjoyment, reflection and knowledge sharing.”

実際に館長を務める京セラ美術館での、フレキシブルな展示空間が作成可能な設計について、設計時と運営時において自らの評価軸が変わったことなど。福岡市民にとっては身近な話題である新福岡県立美術館のプロポーザルの提案についても、青木さんの提案がどのような思いを込められて作られていたのかをお聞きすることができました。

今回のレクチャーは大学の国際ワークショップであるSustainable Design Campの期間中に開催されたため、アジアやアメリカからも学生が対面参加しました。小学生から留学生、他大学生、福岡で建築設計に携わっている方々など対面で186人、オンラインでは224人に参加いただきました。

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青木淳(Jun Aoki)
1956年神奈川生まれ、建築家。東京大学大学院修了後、礒崎新アトリエ勤務。1991年青木淳建築計画設計事務所を設立。2020年ASに改組。 主な作品に「青森県立美術館」、「大宮前体育館」、「三次市民ホールきりり」、西澤徹夫との共働による「京都市美術館(通称:京都市京セラ美術館)」、ルイ・ヴィトンの一連の店舗など。1999年及び2021年と2度、日本建築学会賞、2004年に芸術選奨文部科学大臣新人賞、2020年に毎日芸術賞を受賞。東京藝術大学建築科教授、京都市美術館(通称:京都市京セラ美術館)館長としても活躍されています。


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青木淳さんによるデザインレクチャーの後には、BeCAT教員を交えたトークセッションも行いました。

BeCATからは末廣・末光・百枝、オンラインで吉良が参加しました。BeCAT教員の百枝からは、熊本県にある青木さんに設計による橋、馬見原橋(1995)の話題が上がりました。上を自動車が、下を歩行者が渡る橋のデザインは、橋の上で宴会が開かれるというこれまでにない景色を作り出しました。

青木さんの設計される建物には、常に「そこで活動される人」の姿があります。その後、会場に集まった学生や一般の参加者からも活発な質疑が飛び交いました。学生からはハイブランドの店舗を設計する青木さんへ、建築家として「稼いで」いくために必要なことは何か?など現実的な質問も飛び交いました。一つ一つの質問に真摯に回答いただき、青木さんの設計者としてだけでなく、多くの若手建築家を輩出してきた教育者としての青木淳さんの姿にも触れることができたレクチャーでした。

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